キャリアアップ

【1年目】イギリス看護師のキャリアアップの道のり

ずっと書きたかったイギリス看護師としてのキャリアアップ編!まだ始まったばかりだけど、今までとこれからの歩みを残していきたい。

イギリスで看護師を目指した理由のひとつに看護師としてのキャリアップを挙げていた。

私がイギリスで看護師を目指す4つの理由 私が英語学習を本格的に始めたのは、看護師になってからです。コツコツ学習を積み重ね、少しずつ上達が見えるようになった頃に「海外で看護師...

渡英前のキャリアアップの目標

渡英前に目指したいものは決まっておらず、働くなかで興味のある分野を見つけて進んでいきたいと思っていた。キャリアアップをしたいと豪語する割には、恥ずかしながら具体的にやりたいことはなかった。とりあえず「一年以内に行動を起こす」とだけ決めておいた。

モチベーションを失う

無事にイギリス看護師の免許を取得したものの、仕事が始まってからは時間と心の余裕がなくなりキャリアのことは一切考えられなくなった。そもそも言語のハンデを乗り越えるのが先でキャリアなんて言っている暇はないし、普段の業務も精一杯なのにその上を目指すことなんておかしすぎて口が裂けても言えなかった。

初めの3ヵ月間は仕事終わりは疲れ果てて、帰宅したらすぐに寝る生活が続いた。勉強する余裕もまったくなく一番の目標が”疲労回復”になるほどしんどかった時期だ。

モチベーションの回復

4ヵ月を過ぎた頃、少しずつ仕事に慣れてきて勉強する意欲が回復し、自主学習時間を取れるようになってきた。職場で多職種と関わる機会が増え、看護師の活躍の場が多いことを知ったのもこの頃だ。看護師のキャリアの選択肢の多彩さについては別の機会に紹介したい。

まずは興味のある分野を挙げて情報収集のためにリサーチを始めた。

興味のある分野

  • 専門看護師(CNS)
  • ナースプラクティショナー(NP)
  • 公衆衛生(MPH)
  • リサーチナース
  • 臨床指導者
  • MBA

キャリアアップ専用のノートを買って興味のある分野を書きだし、必要なスキルやかかる時間と費用などについて調べた。

リサーチを終えて、目標に挙がったのがシニアスタッフへの昇格、そして専門看護師になることだ。イギリスの看護師は主にジュニアとシニアに分かれていて、シニアスタッフはリーダー業務や病棟の運営など幅広い責任を担う。専門看護師は、その分野のスペシャリストとして患者のケアに携わる役職で自分のやりたいことに合っていた。

キャリアクリニックを受ける

リサーチをしているときにキャリアの相談をできる部署があることを知った。キャリアクリニックと呼ばれ、専門のスタッフ(看護師)が無料で相談にのってくれる。他の病院にもあるか分からないが、職場のメールでお知らせメールが届いて申し込んだ。

事前に現在のスキルや強み、学習課題、相談で知りたいことを専用書類に記入し提出した。当日は事前に記入した用紙をもとに話し合いを行った。

キャリアクリニックを受けたことで目標のために何をすべきか分かったし、何よりモチベーションが上がった。そしてこのキャリア相談は入職して10ヵ月目で受けたから「一年以内に行動を起こす」を達成👏

看護師のキャリア相談、キャリアクリニックに行ってきたイギリス看護師としてキャリアアップを図るために受けたキャリア相談を受けてきた。今回は具体的にどのような相談だったかをシェアしていく。 ...

リンクナースに立候補する

キャリアクリニックと同時期に病棟でリンクナースの募集があった。リンクナースの役割を担うことでシニアスタッフになるために役立つと思い応募することにした。

リンクナースとは医療施設のなかで、専門チームや委員会(感染制御チーム、褥瘡対策チームなど)と病棟看護師をつなぐ(リンクさせる)役割を持つ看護師のこと。

看護roo!より引用

いくつか種類があり、その中でも自部署の循環器に関わる心肺蘇生のリンクナースを選んだ。経験が一年も満たず、リンクナースに相応しいスキルがあるか自信はなかったが、それを踏まえた上で努力することを具体的に書いて応募したらあっさりとOKをもらうことができた。

後日改めて師長と話し合うことになったけど、その後の進展はない。日本のように時間外で話し合いはないため、忙しい勤務中には話すチャンスがほとんんどない。せっかくの機会なのでしっかりと役割を果たせるように今度師長に話してみようと思う。自分からアピールして行動していかないと物事が進まないことは、イギリスで働き始めてからよく学んだのでじっと待つことだけはしない。

もうひとつの選択肢

ここまで元気よくキャリアの目標を書いたけど、正直なところすべてを前向きに捉えてはいない。

イギリス国営病院(NHS)で働く上で悩みの種は給料である。イギリスの看護師不足の大きな理由のひとつは低賃金であり、地元の人たちからは敬遠される傾向がある。

それなりの生活をすることはできるが、物価の高さと生活費の高騰に今後も耐えうるのか不安はあるし、政府のNHSへの対応を見ているとこの国の医療福祉に未来はないと思うこともある。

正直なところ、NHSに務め続けることの不安は常にある。そこでもうひとつの選択肢として大学院で学び民間企業に就職する道を考えている。これはまだ考えている程度でリサーチはをしている程度に留まっている。私の場合はビザをサポートをしてもらう必要があり、院費用は莫大になるため簡単には決められない。

不安はつきないけど、今の勤務先にとても満足しているから数年間はNHSで頑張る予定だ。まずは今いる場所でやれるところまでやる精神でやってみる。

これからもキャリアについて進展があればアップしていきます!

参考:

リンクナース | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]

Record number of nurses quit NHS for better work-life balance

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師 | IELTS講師(OA7.5) 2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンNHS病院の循環器病棟に勤務。

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