イギリスで看護師になる

イギリス看護師登録の総費用と就職先のサポートについて

>

イギリスの看護師免許を取得してから一年が経過し、今頃になってしまったけどイギリス看護師登録の総費用と就職先からのサポートについてまとめる。※一円単位は四捨五入しています。

日本円で支払った費用については、当時のレートで行っています。ちなみに私が渡英した一年前ときは1ポンド約150~152円でした。ですが、今は円安の影響で2022年10月は160円を超える水準が続いています。

総費用内訳

NMC費用

NMCとはNursing Midwifery Councilのことで日本の看護協会にあたる。イギリスの看護師はNMCに登録する必要があり、申請費や試験の諸費用を支払う必要がある。

免許審査費 19,280円
CBT受験費 12,710円
免許登録費 21,330円
小計 53,320円

IELTS費用

IELTS受験料 126,900円 (5回分)
PlusOnePoint 81,640円
ベストティーチャー 48,600円
Simon E-book 2,900円
IELTS blog採点 7,740円
オンライン英会話 27,550円
小計 295,330円

総費用を最も占めたのはだったのがIELTSだった。ビザや航空券代も大きな金額となったが、一部を就職先が負担してくれたため総合的にIELTSのほうが高額になった。英語関連費を安く抑えることができれば節約になるが、日本人のハンデとなりやすい語学については難しいところである。語学試験を突破しないと申請はできないため必要な投資としてある程度割り切る必要があるだろう。

おそらく多くの人がIELTSやOETなどの語学試験にお金をかけている。自分ひとりではないと思ってそこは安心して欲しい。

書類費用

卒業証明書 1,000円
成績証明書 1,000円
上記送料 700円
翻訳費 12,100円
英文残高証明書 520円
その他送料等 2,160円
小計 17,480円

英文残高証明と翻訳は、就職手続きの際に住所証明として使った。

健康チェック、就職前の健康診断

健康チェック 13,200円
健康診断書 5,500円
健康診断 47,290円
健診英文証明 8,800円
出国前PCR 15,000円
小計 89,790円

各健康診断は就職の際に必要な書類だった。各抗体検査やレントゲンなど保険適用ではないため費用が割高となった。

その他

就職面接対策 18,950円

就職面接対策をオーストラリアで看護師として働く高橋奈央子さん(@AUS_otanko_Ns)にやっていただいた。

ビザ・航空券

ビザ申請費用 36,910円
プライオリティサービス 35,000円
航空券 219,610円
小計 291,520円

本来ならプライオリティサービスは必要なかったが、ビザが却下され再申請する可能性を考えて優先的に処理してもらうサービスを利用した。

総計766,390円から就職先からもらった£945=142,700円(当時のレート151円で計算)を引くと623,690円の計算になる。

就職先からのサポート

就職先からのサポートは手厚く色々な費用を負担してもらった。

  • 空港までの送迎
  • 隔離中の宿泊費
  • 隔離中の食費
  • 隔離中のPCR費
  • 交通費£10
  • OSCE受験費£794
  • OSCE受験地までの交通費
  • OSCE受験のための前泊費
  • 航空券代£700
  • ビザ代£245
  • ビザスポンサーシップ代

これらのサポートは病院によって異なる。私の病院では時期によってサポート内容も異なるようで運によるかもしれない。

あくまでも私の病院の話になるが、時が経つにつれてOSCE費用は自己負担など少しずつサポートが減らされている傾向がある。おそらく需要と供給のバランスでサポートがなくても成り手がたくさんいるからかもしれない。

これらのサポートを受ける代わりに3年間は働くことが契約となっている。途中で退職することも可能でその場合はOSCE費用を全額または一部返金(勤続年数によって異なる)で契約を終了することができる。

おわりに

総費用を振り返る

申請を始めたときから各費用をまとめておいたものの、実際に総額まで計算していなかった。今回の記事をきっかけに総額を計算しこんなにかっかたのかとめまいがした。この他にも移住に向けて細かな出費があり、直前は退職し収入がなくなるなど社会的な損失もあった。必要経費だったとはいえどずいぶんお金を使ってしまったと感じる。

総額にすると大きな金額になるが、私は日本から目指し就職先から経済的なサポートを受けることができたので総合的に費用負担は少ないほうだ。

費用だけに関していえば、英語圏の中でイギリスは圧倒的に安い。大学やカレッジに通う必要がなく、試験に合格さえすれば誰にでもチャンスがある。また、申請のスピードも迅速で語学試験に合格すれば1~2年以内に免許を取得することが可能だ。

自分がいかに恵まれているかを知る

ここまでこれたのも私自身が恵まれた環境にあったからこそだと思う。

まずは家族の支えだ。私はこれまで留学、海外旅行、イギリス移住と何度か日本を離れるときがあったが、いつでも両親は応援してくれた。遠く離れた今でも一番の理解者であり応援者である。この精神的な支えがなかったらここまでこれなかった。

そして経済面では、看護師になって一定の収入を得るようになってから挑戦できることが広がった。目標を達成するためには努力・時間・経済力が必要である。この中のどれかひとつが欠けても実現ができない。努力することができ、何とか努力する時間を確保することができてもお金がなければ選択肢は狭まる。

看護師として収入を得たことで選択肢が広がり、目標を達成するためにお金を捻出することができた。経済力に関しては貧富の差が激しいロンドンにいるからこそより強く感じる。

現在、目標ややりたいことがたくさんあるが、達成するためには経済力が必要だとひしひしと感じる。これからのライフステージにかかる支出、日本への一時帰国費、ビザ更新費などを考えると一筋縄にはいかない。上を見上げればキリがないが、こうして夢を実現し今後の目標があることは非常に恵まれていることを忘れないようにしたい。これからも自分のやれる限り真っ当に生きていきたい。

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師 | IELTS講師(OA7.5) 2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンNHS病院の循環器病棟に勤務。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。