イギリスで看護師を目指すルート
イギリス看護師免許はどの国からでも申請できます。日本人看護師の場合は、主に日本またはイギリスのどちらかを拠点することが多いです。
なかには第三国から目指す方もいるかもしれませんが、その場合は日本で目指すルートを参考にできると思います。
私の場合はそれぞれのプラス点とマイナス点を考慮して日本で目指すことにしました。今回は日本で目指すルートの流れとプラス点とマイナス点をシェアします。
今回の記事は具体的な内容になっています。まずは全体の申請プロセスを理解してから読んでいただくことをおすすめします。細かな点は人それぞれ異なるため全体的な流れとして参考にしてください。
https://mari7iro.com/nmc-registration-process/
日本で目指すルート
申請から最終試験OSCE(会場はイギリスのみ)までを日本で完了します。日本に在住している方にとって選択しやすいルートです。外国人看護師もこのルートを辿ることが多く王道のルートといえます。
イギリスの国営病院(NHS)や民間施設は、CBTに合格した外国人看護師をOSCE受験前の候補者として採用しています。
イギリスで看護師を目指す方は、このシステムを利用して渡英することがおすすめです。
CBT合格後の流れ
CBT合格後、追加書類を提出します。同時に渡英のための職探しを開始します。
職探しは個人またはエージェントを通して行います。面接はウェブ上で実施され、内定をもらえればビザ申請に進みます。現在、私はこの方法で渡英を目指し求職中です。ですがコロナの影響で就職面接が難航している状況です。詳しい流れは今後またシェアしていきます。
看護助手として働く
NHSの病院で働くで働く場合、まだイギリスの看護資格は取得していないため看護助手=Healthcare Assistant(HCA)として働きます。日本での看護助手との役割は大きく異なり業務は多岐に渡るようです。HCAについては下記NHSの動画が参考になります。
OSCEに合格後、HCAとして働く職場で看護師としてそのままその入職することができます。多くのNHS病院ではOSCE対策の授業があり合格するためのサポートが充実しています。

日本で目指すプラス点
① 渡英の資金が貯められる
海外で看護師になるためにはお金がかかるため十分な資金の準備が重要です。日本で看護師として働いていればそれなりに貯金ができるため最大のプラス点といえます。
イギリスの物価は全体的に高く、都市部に住めば生活費はさらに上がります。全体的な出費を抑えるという点では、日本を拠点にしたほうが貯金しやすいです。
参考:Cost of Living in United Kingdom,Agenda for change – pay rates
この給与はイギリス全土で共通ですが、地域によって物価の差があるためそれぞれのエリアの物価水準が考慮されています。
参考:NHS Terms and Conditions (AfC) pay scales – including High Cost Area Supplement
② 渡英直前まで経歴を得られる
海外の就職で重要視されるのが経歴です。求人の条件に当てはまる経験のある人が採用されます。
日本では大規模病院への転職は歳を重ねるごとに難しくなります。中途より新卒を採用するためです。ですがイギリスを含む多くの海外の国では、この傾向はなく経験のある看護師が採用されます。その点で直近まで看護師としての経歴を得られるのはアドバンテージとなります。
日本で目指すマイナス点
① 経験者の情報を得にくい
日本でイギリスの看護師を目指す絶対数は少なく経験者の情報が得にくいです。この点はリサーチ力で補うことができますが、ネットの情報は信憑性に注意が必要です。
行動力が必要ですが、現地にいれば情報にアクセスする機会が圧倒的に増えます。特に同じ道を歩む経験者に繋がることができれば情報やアドバイスをもらうことができます。
② やり取りに時間がかかる
各関係機関とのやり取りに時間がかかることはイギリスで目指しても同じですが、日本で目指すほうがイギリス看護助産協会(NMC)や就職先とのやり取りがやや難易度が上がります。
現地にいれば時差もなく、連絡を密に取りやすい環境にあります。特に就職に関わることは直接アポを取って交渉することもできます。また、現地の経験者や仲間を頼りできますが、日本にいる場合はこういったコミュニティに属せないため自身のリサーチ力と行動力が求められます。
③ イギリスでの経験なしで臨床現場に出る
個人的な意見になりますが、日本で目指す最大のマイナス点はイギリスでの教育や臨床経験なしで現場に出ることだと思います。イギリス看護師免許は、大学教育やコースなしで取得できるのは良いですが、英語・医療英語のバッググラウンドのない日本人看護師にとっては現場に出たときに大きなハンデになりえます。
フィリピン、ナイジェリア、インド、ネパールなど諸外国の看護師は、母国で看護教育を英語で受けています。歴史的な背景、多言語国家などの理由に元々英語にハンデがありません。そういった英語と医療英語に長けた外国人看護師たち、ネイティブの中で働くことを十分理解しておく必要があります。
まとめ
日本で目指す全体の流れをまとめました。
日本で目指す🇯🇵流れ
- IELTSまたはOETで必要スコアを取得
- 申請、書類提出
- CBT受験
- 追加書類提出
- 就職先決定、ビザ申請、その他準備
- 渡英
- OSCE受験
おわりに
イギリス看護師免許を日本で目指すルートを大まかにまとめました。同じルートでも順番やかかる時間は人それぞれです。
今回私がシェアしたルートは一例です。このルートをもとに自分の状況に合わせた計画の参考になれば幸いです。次回はイギリスで目指す方法をシェアする予定です。
以上、日本でイギリス看護師を目指すルートを徹底解説でした。