病棟勤務(1~3年目)

イギリス看護師|1年目のあしあと

イギリスで看護師を目指す道のりをシェアしたいと思って始めたブログだけど、移住前後は自分のことで精一杯で更新する時間も心の余裕もなかった。何もかもが新しい1年目のフレッシュな視点は一度しかないし、異文化も時間が経てば文化ではなくなっていく。イギリス看護師2年目を迎える今、イギリス看護師1年目で学んだことをまとめていきたい。

時系列で振り返る

🍂 9~11月:最終試験OSCEのために3週間の研修を受ける。合格後はオリエンテーションを受けてすぐに臨床へ。イギリスの臨床現場は習うより慣れろのサバイバル。10回の勤務で独り立ちが決まり、とても不安になったのを今でも覚えている。現在の段階では独り立ちは難しいと訴えても「サポートからするから大丈夫」と独り立ちが決定。11月後半には夜勤も始まり、毎日が必死で第二言語で働く難しさと12時間の長時間勤務で心身ともに毎日疲れ果てる日々だった。勉強する余裕もなく休むことすらままならなかった。

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⛄ 12~2月:すべてに計画性がある日本では経験しなかった困難を次々と経験する。仕事の忙しさのピークともに自分のキャパシティに限界が訪れる。新型コロナに感染し人生2回目の自主隔離を経験する。

🌸 3~6月:仕事に慣れたきた時期で勉強の意欲が高まった。職場の新人向けのプリセプター研修を受け、臨床に必要な採血・点滴ルート挿入の技術に合格をする。

🍧 7~8月:仕事が忙しくなり、人手不足の他病棟に派遣される日が増える。知っている同僚がいない、物品の配置が異なる、派遣先での科の経験がないの慣れない環境で働くことは、ものすごくストレスだった。あまりのストレスで一日だけシフトを普段の職場で働けるようお願いしたこともあった。そのときは本当辛くて職場に泣きながら電話した。

キャリアアップのために行動し始め、キャリアクリニックを受ける。キャリアクリニックとは、看護師のキャリア支援をするためにキャリア相談に特化した看護師が相談にのってくれる専門の部署である。キャリアアップのために何をしたら良いのか、はっきりと見えた機会となった。

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言語面のハンデ

一年目で一番苦労したことは言語面のハンデである。特に働き始めた最初の頃は「聞く→理解する→意見を考える→話す」の処理速度が相手と会話する上でかなり遅かった。とにかく相手の言っていることを理解することに全集中のため静かになりがちだった。特にグループ内での会話には入ることができなくて自信もなかった。言語に関しては、月日を追うごとに慣れていき英語力だけでなくコミュニケーション能力も向上していった。今では患者さんに冗談を披露して笑いを取れるようになった。それでも言語のハンデは他の外国人看護師より大きく、今後も一番のハンデになっていくことは間違いないと感じる。

自分を守る

自分を守ることをよく学んだ一年目でもあった。他病棟に派遣される日が続き、ストレスが溜まっていたときに同僚から「派遣を辞めて欲しいと伝えた?伝えないと良いとみなされるよ」と指摘を受けて初めてNOと言う選択肢を知った。それまでは一度も拒否することを考えたことはなく、人手不足だし仕方ないと思っていた。でも、それを受け入れるかは私が決めて良いことを学んだ。この気付きが秋頃に一日だけシフトを普段の職場で働けるよう泣きながらお願いした電話につながる。

私の職場では小さなことから大きなことまで、ほとんどの人が不利益を被りそうになったり、不満があったりするときには自分の意見を伝える習慣がある。通るか通らないかは時と場合によるが、意見が通れば不利益を回避することができる。

日本の職場ではどんなに大変なことがあっても黙って受け入れ働いていた私にとっては、自分の意見を言うことに慣れていなかった。でも、言わないと何も変わらないし言わないことによる不利益は自分に責任があると考えられる。もちろんすべての意見が通るわけではないけど、交渉によっては認めてもらえることがある。この風通しの良さは日本では経験できなかったことだ。郷に入っては郷に従えでこういった文化にも従って自分を守るのが海外で生きる上で大切だと思う。

2年目に向けて

必死に駆け抜けた1年目だったから2年目は、もう少し落ち着いて勉強したり、キャリアアップに向けて行動していきたい。健康第一に2年目も頑張っていきます👍

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師。2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンNHS病院の循環器病棟に勤務。

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