イギリスで看護師として働く

イギリス国営病院の看護師として働くーメリット&こんな人におすすめー

イギリス看護師の良いところ(メリット)

今回のメリット・デメリットについては、私の今までの看護師としての経験が大きく反映されています。個人の経験によって感じ方は変わること、あくまでも私個人の意見であることをご理解ください。

ワークライフバランスが良い

残業が少ない

職場・地域・役職にもよると思うけど、残業はほとんどない。忙しければ残業することもあるけど、日本と比べたら圧倒的に頻度は少ないし、しても数分から数十分程度。終わらなかった仕事は、次の勤務者に引き継ぐことができる。勤務前に出勤して始業の準備をすることもないので時間ぴったりに出勤している。

有給が消化できる

有給はすべて消化でき、取りたいときに取ることができる。国民医療サービス(NHS)では、年間27日間+休日分(勤続年数による)を取得できる。

それぞれのトラストに有給のポリシーがあり、ポリシーに従って有給を取得する。私の勤務先では、最大で3週間連続して有給を取得することができる。上司と相談して許可がでれば、4週目以降は無給で取得ができる。

休みの日に休める

休みの日は完全にプライベートの時間として休むことができる。研修、係活動、会議があっても休みであれば出席する必要はない。

キャリアの選択が充実している

イギリスの医療と看護は、専門分野に特化して発展していてキャリアが豊富にある。

イギリス看護師の多彩なキャリアについて イギリス看護師のキャリア イギリスの医療は分野ごとに細分化が進んでいるため、看護師のキャリアも各分野ごとに細かく役職が設けられてい...

多くの経験と院修了が求められるが、さらに薬の処方や検査説明(同意書の説明)、検査前後の診察、退院、小手術まで行うことができる。これらの経験は日本ではできないことであり、イギリス看護師のキャリアの可能性はとても高いと感じる。また、退院支援や研究など臨床以外でも看護師が活躍できるポジションが充実している。

教育支援が充実している

スタッフの教育支援が充実していて、研修は無料で勤務時間内に受けることができる。基準を満たせば、大学院も勤務先が支援してくれる。

私は2023年春から大学の短期コースを受けることになった。このコースは政府と勤務先の支援によって受けることができた。コースがある日はすべて研修日をもらい、給料をもらいながら勉強することができた。

イギリス看護師|働きながら大学のコースを受講する 働きながら大学で学ぶ イギリスで看護師になって2年目。大学のコースを受ける機会をもらうことができた。 イギリス看護師の免許は、日...

キャリアブレイク制度がある

福利厚生としてキャリアブレイク(休職)制度があり、一定の条件を満たせば最大で5年間の休みが取れる。この制度を利用して子育て、介護、旅行、他国で看護師として働くなどに時間を充てているスタッフもいる。在籍しながら他のことに一定期間専念できる環境を確保できるのは素晴らしいと思う。

看護師の安全が守られている

患者は持ち上げない

イギリスでは、患者は持ち上げないことが前提となっている。患者を移動をサポートする機械や滑るシートを利用して患者の移動を介助する。

見守りが必要な患者には、看護助手が1対1で配置される

不穏(落ち着きがなく、興奮すること)の患者や転倒リスクが高い患者は、看護助手が1対1で配置される。イギリスでは身体抑制(身体をベッドに縛ったり、手袋をすること)は法律で禁止されているため、看護助手が1対1で患者をサポートし、患者の安全の確保に務めている。

よりケアが必要な患者がいる場合、その患者にかかりきりになり、他の患者の元へ行きづらくなる。看護助手が集中して患者をみてくれることにより、その他の患者の安全を確保しながら働くことができる。

必要に応じて警備スタッフが対応する

前に書いたのように患者が不穏となり、他の患者やスタッフの安全が危険に晒された場合、「自分の身と患者の安全の確保」が最優先事項として徹底されている。興奮する患者を身をもって制することは危険であるため、必要時には警備スタッフに連絡し対応してもらう。

日本では身をもって患者を静止することが当たり前だったが、イギリスはスタッフと他患者の安全重視である。このときに治療に関わるチューブ類が患者によって抜かれた場合もスタッフの責任とはならない。

多国籍な職場で働ける

2022年の統計によると、NHSで働くスタッフの16%が外国籍のスタッフが占めている。どこの病院も外国人スタッフを受け入れる体制が整っており、外国人が働きやすい環境だと感じる。

ロンドン中心部は、特に外国人スタッフが多い。さまざまなバッググラウンドを持った人たちと働くことができるのは、NHSならではの魅力。

風通しのよい人間関係

年齢や経験の差があっても、同僚とはフレンドリーに関わることができる。日本の看護業界に多い体育会系の風土もなく、先輩と話すときに気を遣うこともない。

職場で不当な扱いを受けたときに意見を言いやすいのもイギリス(海外)の良さのひとつかもしれない。たとえば、ハラスメントや不平等な勤務の割り当てなど、問題に思うことがあった場合は積極的に声を出して良い。

特にロンドンのNHS は、ハラスメントに厳しく対処していると思う。患者・同僚からのハラスメントは許さない姿勢をとっている。

業務に関しては、できることであれば、聞き入れて改善策を考えてくれることが多い。日本で働いていたときは、常に耐える・我慢することが多かったけど、イギリスに来てからは「我慢はしない」がみんなのモットーだと感じる。そういった点では、自分を優先することができる=自分を大切にしやすい環境にある。

イギリス連邦で働くチャンスがある

イギリス連邦とはコモンウェルスと呼ばれていて、イギリスと旧イギリス植民地から独立した諸国56ヵ国で構成される。免許取得のしやすさは、国やそのときによって左右されるが、イギリスの看護師免許を持っていることで他の国でも働けるチャンスが広がる。

ヨーロッパ旅行をしやすい

イギリスはヨーロッパ諸国にアクセスしやすく、日本から比べると格安で旅行ができる。移動時間が短く、ヨーロッパ内では時差も少ないため時差ボケにもなりにくい。短期の休みでも気軽にヨーロッパ旅行を楽しめるのが良い。

イギリスに来てから何回かヨーロッパへ旅行し、日本からは行きづらかったヨーロッパ諸国を訪れることができて良い気分転換になっている。

イギリス看護師のおすすめポイント

低コスト・短期間でなりやすい

一般的に海外で看護師になるためには、多くの費用と数年単位の期間がかかる。でも。イギリスは英語試験を突破すれば1~2年以内に免許を取得することができる。経済的・時間的コストが他国に比べて圧倒的に低い。

申請にかかる総費用については、イギリス看護助産協会(NMC)の登録費用が£1,170で約20万円のみ。現地の学校に行く、コースを履修する必要もない。2022年現在、多くのNHSは外国人看護師受け入れのために費用負担をしている。そういった経済的なサポートを得られるのもメリットのひとつ。

イギリス看護師登録にかかった費用と就職先のサポートについて海外で看護師になるには、結構なお金がかかります。今回は、イギリス看護師登録にかかった費用と就職先から受けたサポートについてシェアします。...

ビザスポンサーをしてもらいやすい

免許とビザは別もので、ビザがなければ海外で働くことができない。2022年現在、イギリスは看護師不足が深刻なため、免許を取得できればビザをスポンサーをしてくれるので職に困ることはない。(今のところ)

こんな人におすすめ

ワークライフバランスを重視したい人

仕事は仕事、そして私生活優先の価値観が根付いているので、ワークライフバランスを保ちやすい。有給はすべて消化でき、休みの日にきちんと休める環境を手に入れることができる。

低コストかつ短期間で海外で看護師になりたい人

新たに大学やコースを受講する必要もなく、規定の試験を合格すれば良いのでお金と時間の負担が少ない。

旅行が好きな人

旅行が好きな人にもイギリスはおすすめ。ヨーロッパ旅行を気軽にでき、アフリカにも足をのばすこともできる。

イギリスで看護師として働くデメリットについても書きました。
イギリスで看護師として働くーデメリットと現実-良いところもあれば、悪いところもある 前回、イギリスで看護師として働くメリットについて紹介した。 https://mari7iro....

参考:

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師。2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンの大学病院(NHS)の循環器病棟にてシニアスタッフナースとして勤務。

POSTED COMMENT

  1. アバター Anna より:

    Mari さん、お仕事お疲れ様です。お忙しい中、ブログを更新していただきありがとうございます。とても参考にさせていただいてますし、勇気をもらってます!わたしはイギリスで助産師として働きたいと考えています。プロセスが看護師とは違うのは分かっておりますが、Mariさんは日本でNMCの登録、試験対策を自力でされていると伺っておりまして、日本にいながらNMC登録から試験、OSCE 対策や医療現場の現状等、情報収集はどのように行っていましたでしょうか。わたしの場合は助産師をしている人口がそもそも看護師より少ないので情報が看護師ほどないためエージェント契約するか悩んでいるところです。

    • Mari Mari より:

      Annaさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      助産師を目指されているんですね。イギリスは助産師も不足していると聞いています。

      看護師も助産師もプロセスは一緒で受ける試験が異なります。

      情報収集に関しては、ブログにまとめているので各ブログをご覧ください。

      今後、イギリス看護師を目指す方向けにレッスンを開講予定です。Annaさんは助産師を目指されていますが、役に立ってところもあると思います。またブログに随時更新していきますね。応援してます。

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