My Storyでは、イギリス看護師を目指す仲間やイギリスで現役看護師として働いている方々に協力してもらい、イギリス看護師になるまでのストーリーをインタビューしています。
記念すべき一人目は、ゆいかさんです。
ゆいかさんはワーホリビザを利用し、現在ロンドンのNHS病院で看護助手(HCA)として働きながらイギリス看護師を目指しています。2020年にOETを見事一発合格し、2021年にイギリス看護師免許を取得されました。
HCAとは?
HCAは”Healthcare assistant”の略です。日本の看護助手にあたりますが、日本の看護助手より業務内容は幅広く、バイタルサイン測定や日常的なケアなど多くの役割を担っています。
参考:Healthcare assistant(NHS病院のサイトより)
ワーホリビザを利用してHCAとして経験を積みながら目指すルートは、イギリスを拠点に目指す人にとってメリットの多い選択肢です。ワーホリにイギリスを選んだ理由から実際に現地でHCAとして働きながら感じる良さ・難しさなどをインタビューしました。
自己紹介
初めまして。ゆいかです。
東京都内の専門学校卒業後、都内の大学病院ICU勤務→オーストラリアへワーホリ→インドネシア・タイ・ミャンマー・インドなどをバックパッカー→帰国後、派遣看護師として急性期病院やクリニックでの勤務を経験しました。
現在は、ロンドンのNHSの外傷・整形外科病棟でHCAとして働きながら看護師免許の申請を進めています。
ーイギリスでワーホリを決めたきっかけを教えてください。
付き合っている彼がイギリス人だったことと、初めて旅行で訪れた時にここで生活してみたい!と思ったのがきっかけです。
ーイギリスで看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。
ワーホリのビザが当たり、2年という限られた期間で何かに挑戦してみたいと思ったのがきっかけです。自立した生活が出来て、かつ自分がやりたいことって何だろう?と考えた時、やっぱり看護師をしたいと思いました。
英語試験について
ーOETを選んだ理由を教えてください。
4科目全てのセクションにおいて、医療現場で必要とされる英語力が判定されるテストなので、現場に出てからも役立つと思ったからです。あとは、興味を持ちながら飽きずに勉強できそうと感じたのでOETを選びました。
ーOETのおすすめなところ、難しいところは何ですか。
おすすめなところ
- 全てが医療に関連する会話や文章なのでイメージしやすい
- ランダムな問題が多いIELTSと比べて、テーマが決まっているので対策しやすい(特にWriting)
- 医療英語に触れたことがある人、勉強したいと思っている人にはOET対策、かつ後々現場でも役立つので一石二鳥
難しいところ
Listening: 話し手によって早かったりアクセントが様々なので慣れていないと聞き落としやすい
Reading: 学術論文だと難しい単語や医療英語が出てくることが多いので読むのに時間がかる
Writing: 基本的に紹介状を書くのですが、受取る側の職 種によって必要な情報のみピックアップして40分間で書き上げなければいけないのでわりと時間勝負になる
Speaking: いろんなケースの練習を重ねて緊張せず挑めば難易度はそこまで高くないと感じました
ーOET学習に役立った教材、オンラインコースを教えてください。
- E2Language
E2Languageというオンラインコースを使いました。Liveクラスや各セクションの解き方のコツについて動画が、分かりやすく説明されているのでおすすめです。Liveクラスに参加できなくても録画クラスが後日アップされるので、仕事と両立しながらの勉強にはとても役立ちました。
- OETのオフィシャルサイト
サンプルテストを無料で受けられます。
- Murtagh’s Patient Education
これは知り合いの方に勧められて使いました。基本的な医療知識が分かりやすくまとめてある本で、読みやすいです。Speakingでの患者さんへの説明に役立てました。
ーOET学習中、大変だったことは何ですか?
ロックダウンの影響で、テストの延期が4回ほど続いたのでモベーションを保つのは大変でした。本番がいつになるか予測が付かない中での不安もありましたが、あまり考えすぎず毎日少しでも問題を解くことを心がけました。
趣味のヨガやランニングをしたり、朝晩の瞑想で心身を整えることで勉強にメリハリをつけるようにしました。
ーHCAの仕事はどのように探しましたか?
NHSの各病院サイトに直接アクセスし、求人情報をチェックできるのでそこから応募できます。リクルートメントのメールアドレスも載っているので、求人がサイトにあがっていなくても、病院CVを添付し4〜5つの病院に送りました。あとは、私は使ったことがないのですが、Indeedというサイトでも探せます。
ー実施したHCAインタビュー対策などを教えてください。
私の場合はインタビューオファーの連絡が突然来て、今から話せる?と言われてテレビ電話で行ったので、準備しなかったというか出来なかったです(笑)もし準備できる時間があるなら、応募する病院で働きたい理由と自己アピールは大事だと思います。
ーHCAとして働きながらUK看護師を目指す良い点と難しい点を何がありますか?
良い点
HCAとして働く病院でOSCEのトレーニングが受けられ、そのまま就職もできるところです。(希望する病棟で働けるかどうかは、その時のポジションの空き状況にもよります)
また、同じプロセスを踏むフィリピンやアフリカの海外ナースが多いので、トレーニングやOSCE本番の経験談を身近に聞けるのはありがたいです。
個人的に一番のメリットだと思う点は、実際にナースや他の医療スタッフと一緒に働くことで、自分がナースになった時の役割や働き方がイメージしやすいことです。スタッフによっては、親身に色々と教えてくれることもあるので、自分の働き方次第で学べるチャンスが豊富なことです^^
難しい点
日本からの書類集めや政府機関とのやり取りです。時差があるので思うように連絡が取れないことや、日本にいる家族に協力してもらいがら必要書類を集めていかなければならない点です。
ーHCAの主な役割と仕事を教えてください
HCAの主な仕事はバイタルサイン・血糖測定、食事・清潔・移動介助です。日本の看護助手との一番大きな違いは、バイタルサイン・血糖測定、心電図、膀胱エコーが出来るところです。点滴のルート抜去もしちゃいます。
ー最後にイギリスで看護師を目指す人へメッセージをお願いします!
免許が取得しやすい今がチャンスだと思います^^ 決して楽な道ではないですが、一緒に頑張りましょう!
おわりに
初めてのMy storyはいかがでしたでしょうか。同じ時期に同じプロセスを歩んだとしても道のりは十人十色です。さまざまなストーリーから自分のストーリーを描く参考になれば嬉しいです。