My storyでは、イギリス看護師を目指す仲間やイギリスで現役看護師として働いている方々に協力してもらい、イギリス看護師になるまでのストーリーをインタビューしています。
今回はイギリスでプラクティスナース(GP=家庭医に務める看護師)として働くあかねさんにイギリス看護師になるまでの道のりをインタビューしました。あかねさんは結婚を機にイギリスに移住し、英語を猛勉強、看護助手の経験を経てイギリス看護師免許を取得しました。
自己紹介
ー自己紹介をお願いします。
はじめまして。あかねです。
名古屋の専門学校卒業後、病院、地域包括支援センター、クリニックでの看護師を経験し2017年にイギリス人との結婚を機にイギリスに移住しました。イギリスではケアホームと外傷・整形外科病棟のHCAの経験を経て2021年10月にイギリスで看護師として登録することが出来ました。
イギリス看護師として初めての職場は看護助手として働いていた病棟で、2022年9月からはGPでプラクティスナースとして働いています。
ーイギリスで看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。
正直なところ、イギリスに来た当初は看護師になるのは難しいだろうと思っていました。英語も日常会話が精一杯、買い物をするのも電話をするのも一苦労という状態でした(笑)
移住したての時、HCAとしての仕事に100件以上応募して、ようやく呼ばれた面接でも「あなたの英語力では無理ね」と面接官からフィードバックをもらったことがあります。そう言われたのが、とても悔しかったのと、やはり子供の頃からの海外看護師として働きたいという夢をこのまま諦めたくない!と思ったのがきっかけです。
英語試験について
ーあかねさんは英語試験でOETを選びました。OET学習に役立った教材、オンラインコースがあれば教えてください。
OET Onlineを利用して主に勉強しました。OET Online の先生たちは皆フレンドリーで利用し始めてから少しずつスコアを伸ばすことが出来ました。あとは、医療英語を勉強するのに海外の医療ドラマを観てました。
わからない単語は全てメモを取って覚えるというのを繰り返して、沢山の医療英語を学ぶことが出来ました。今でもわからない単語に出会いますが、その度に調べたり同僚に聞いたりしながら知識を広めています。
ーOET学習中、大変だったことは何ですか?
私はスピーキングのスコアに伸び悩みました。普段の生活でも聴き手になることが多いので、自分が主体になって話を進めていくことが私にとっては大きな壁でした。パートナーに相手役をしてもらい、毎日何度も何度も練習しました。目標スコアを達成するのに、長い時間がかかったのでモチベーションを保つことが大変でした。
当時は終わりが見えなくて何度も諦めそうになりましたが、気分転換をするために趣味のウォーキング、読書や書道をすることでリラックスする時間を作ることを意識しました。そして何よりパートナーや日本にいる家族の支えもあり、なんとか乗り越えることができました。
ーHCAとして働いた経験は看護師として働くにあたり、どのように役立ちましたか?
私自身HCAだったこともあり、病棟で働く大変さや忙しさは身に染みて分かっていたので、協力して働くという点で経験が役に立ちました。HCAだった時の気持ちを忘れないように心掛けています。
NMC登録
ーNMC登録で大変だったことは何ですか?
厚生労働省とのやり取りには苦労しました。コロナの影響もあり通常よりも書類発行がスムーズにいかなかったり、途中で担当者が変更となったり、担当者によって異なる回答であったりしたことが大変でした。それに加えて、イギリス中部に住んでいるので必要書類の為にロンドンにある大使館まで出向かなければならなかったことも大変でした。
ー病院のOSCE研修とOSCE受験の感想を教えてください。
私の働いていた病院では1ヵ月間のOSCE研修を経て受験をするという流れでした。13:00~17:00が講義・練習で3週目に模擬試験がありました。
私以外の外国人看護師は同じ寮に住んでいたので講義前後にも集まって練習をしていましたが、私は自宅でパートナーと練習していたので、フィードバックを受けるのが難しく、正しく出来ているのか常に不安でした。研修も終わりに近づき、もうすぐ試験という時に不安に押しつぶされてしまって先生の前で泣いてしまったことがありました(笑) 試験まで親身になって対応してくれたその先生には本当に感謝しています。
私はOSCE会場であるノーザンプトンから離れた所に住んでいるため2日がけで試験に挑みました。会場のスタッフは試験管も含め親切で、ほっとしたことを覚えています。とても緊張しましたが、何度も何度も練習をしたんだから大丈夫!と自分に言い聞かせて、本番は自信を持って望むことが出来ました。
実際に看護師として働いてみて
ー看護師として働き、実際に感じたことを教えてください。
日本で看護師として働いていた時よりもワークライフバランスが整いました。残業も全くない訳ではありませんが、定時に帰れることが多く、有給もちゃんと取れるのが嬉しいです。仕事の忙しさや大変さは日本と同じような感じだな~というのが私の印象です。
ーGPのプラクティスナースの役割や実際に働いてどのように感じたか教えてください。
GPで働くプラクティスナースは予防接種、創傷ケア、慢性疾患管理、ECG、採血、ビタミン・ホルモン注射、スメアテスト(子宮頸がんの検査)など幅広い役割を担っていて、看護師が患者さんを1対1で診察します。
私は現在働き始めて約5か月目で、糖尿病管理ができるようになるためのコースを受講しています。HCA3人と看護師3人の少人数のナーシングチームで、お互い協力的し合いながら働いています。また、8:00~18:00までの週4勤務で土日祝日が休みなので家族との予定が合わせやすい点も気に入っています。
ー最後にイギリスで看護師を目指す方にメッセージをお願いします!
イギリスで看護師になるまでの道のりは大変ですが、諦めずに一歩一歩進んでいければ、きっと大丈夫です!私自身、何度も諦めそうになったし時間はかかりましたが、家族や友達に支えられながら夢を叶えることが出来ました。
おわりに
あかねさんはイギリスに移住されてから多くの努力してイギリス看護師免許を取得されました。どのような状況でも決して諦めずに努力を続けることは簡単ではありません。移住されてから看護師免許をするまでの努力と精神力が本当に素晴らしいですし、あかねさんの人柄も尊敬しています。これからもイギリス看護師仲間としてお互い頑張っていきましょう!