こんにちは、Mari( @Mari_Nurse_SA)です。
NMC登録では、NMC公式HPの情報と私が経験した申請プロセスをもとにイギリス看護師免許の申請の流れとポイントを紹介しています。
はじめに
2014年10月以降、イギリス看護師免許を申請する非EU/EEA圏看護師はTest of Competence(ToC)を受験する必要があります。ToCは下記2つのパートに分かれています。
- Part1: CBT
- Part2: OSCE
NMCに申請をして免許審査を終えたあとにCBTが受験できます。上記のテストは、免許審査が完了した2年以内に合格する必要があります。期日内に合格できなければ申請は終了となります。
CBTとは
CBT(Computer Based Test)は、理論的な実践に基づいた知識をテストする多肢多肢選択試験です。コンピューターベースで行われるためCBTと呼ばれておりPearson VUEによって提供されています。
CBTの概要 🗒
- 問題数:120問
- 制限時間:4時間
- 受験料:£83
- 最大3回まで受験可能
イギリスの看護は専門性に合わせて4つの分野に分かれています。そのためCBTも分野毎に分けられています。
4つの領域
- Adult (general) nursing
- Children’s nursing
- Learning disabilities nursing
- Mental health nursing
領域については申請時に選ぶ項目があります。多くの日本人看護師はAdult nursingのテストを受けると思います。日本の看護師免許は専門分野毎に分けられていないためAdult nursing以外の領域の人はどのように申請するかは分かりません。
2021年8月よりToCは変更される予定です。CBTは2つのパート(A: Numeracy, B:Theory)に分かれ150問、3時間の試験になります。同じくOSCEも変更予定のため情報は随時チェックが必要です。
CBTを予約するまで
免許審査後、NMCよりTest of Competence Invitationがメールで送られます。その後、テスト提供者であるPearson VUEからAuthorisation to test(ATT)が届いたらCBT受験の予約ができます。
CBTを受験する
予約すると受験に関する詳細が記載されたメールが届きます。持ち物やテストルールについて事前に確認が可能です。テストセンターに到着してから受験の流れはPearson VUEの動画が参考になります。

結果について
結果は48時間以内に出るとされていますが、実際は30分〜1時間で分かるようです。Pearson VUEアカウントで確認できます。

CBT合格ライン
合格ラインは公にされていません。直近の受験者の成績によって定期的に見直しされています。
CBTの合格率
平均的な合格率は96~99%です。以前より対策が充実したため合格率が増加して驚異的な合格率の高さとなっています。
参考:Pass rates and number of candidates
CBT対策
必読なもの
CBTに必読なものとして下記の2つがNMC公式HPに公開されています。
- Test of Competence 2021: CBT information booklet for nurses and midwives
- The Code
The Codeは日本の『看護者の倫理綱領』にあたり、イギリスで看護職として働く上で必須の規範となっています。その他にも関連するPDFが上記リンクに掲載されているためチェックしてみてください。
The Royal Marsden Manual of Clinical Nursing Procesures
臨床看護技術についてのマニュアルがまとめられているテキストです。イギリス国営病院(NHS)のRoyal Marsden病院が作成に携わっています。各看護技術の手順、根拠を初め理論とアセスメントツールなど掲載されています。NHS病院はこのマニュアルに準じています。
The Royal Marsden Manual of Clinical Nursing Procedures (Royal Marsden Manual Series)
このマニュアルにはProfessional editionとStudent editionの2種類があります。Student editionには各章末に多肢選択の練習問題が約10問掲載されています。800ページ以上と大容量のため持ち運びや学習には電子書籍Kindle版が便利です。
過去問
NMCはCBTの過去問を公開していません。過去問に関しては、公式ではないですがネット上に多数アップされています。また非公式ですがCBTアプリもあります。
イギリス看護師を目指す方への総合サポートでは、CBT対策授業を提供しています。
CBT合格に必要な学習期間
CBT合格に必要な学習期間は、医療英語の知識によって左右されます。英語で看護教育を受けた外国人看護師仲間は、短い人で1週間から数週間などさまざまです。全体的に割と短い期間の対策で合格している印象があります。
私は申請書類の都合や免許審査に時間がかかったこともあり7ヵ月間の準備期間がありました。学習後半は時間もあったのでNCLEX(北米の看護師試験)にも挑戦しました。期間や勉強量にこだわらず、自分が準備ができたと感じるタイミングで受けられればよいと思います。
おわりに
CBTの公式過去問は公開されていないため、NMC公式情報と過去の受験者たちの情報を参考に対策をする必要があります。また、CBT受験時の規定により問題を口外することは固く禁止されています。そのため質問には一切お答えできませんのでご了承ください。
以上、【NMC登録③】CBT受験の流れと対策・合格ラインと合格率でした。