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イギリス看護師の最終試験OSCE研修と受験記

OSCEとは

イギリス看護師免許の最終試験は、Objective Structured Clinical Examination(OSCE、オスキー)と呼ばれている。臨床看護技術とコミュニケーションスキルを評価する実技試験。

レベル的には新卒者向け、臨床で日々多く実施する基本的な看護技術が試験内容になっている。これに加えて看護計画の展開をするペーパーベースの筆記試験もある。

OSCEの実技試験(ステーション)の例

  • 皮下・筋肉注射
  • 膀胱留置カテーテル抜去
  • 点滴ルートのフラッシュ
  • BLS(一時救命措置)
  • 尿検査など

日本で臨床経験があれば、習得済みの手技のため、技術的な難易度は高くない。ただ、一つひとつの手技と根拠を説明する必要があり、暗記する量が膨大の試験になっている。

そのため、日本人看護師にとってはOSCEの難易度は高い。医療英語を覚え、看護技術の一連の流れを記憶し、患者に説明するフレーズと根拠を言語化をこなすのは想像以上に難しい。

OSCE研修について

私は国営病院(NHS)の外国人看護師プログラムに応募したため、就職先のOSCE研修を受けることができた。(民間が提供しているOSCE研修もあります。)OSCE対策を万全にするためにも、OSCE研修は必ず受講することを強くおすすめする

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病院によって研修の質にはバラつきがあるため、OSCE研修内容・期間・合格率を事前に病院に聞いてみると良いと思う。

ちなみに私の就職先のOSCEの合格率は100%で、合格できずに帰国になった人は今までいない(受験回数は3回まで。落ちるとアプリケーションは閉じられる)。それでも私のグループは初回で6~7割が不合格で悲しい経験をした。

受験会場によって合格率に差があるため、合格率の高い会場を選ぶのも戦法のひとつ。私の場合は病院が一括して申し込みしたため、試験会場を選ぶことはできなかった。そのおかげで合格率が一番低い会場で受験することになり、がっかりしたのを覚えている。合格率が低い会場で有名だったので、その分予約しやすかったらしい。

参考:Pass rates and number of candidates

OSCE研修について

期間:オンライン研修1週間、実技試験研修3週間

時間:9:0016:00(日によって異なる)

私が研修を受けたときは、コロナ禍だったので渡英後に10日間の隔離が必要だった。隔離期間はオンラインでOSCEの概要についての研修を受け、解除後に3週間の実技研修を受けた。

病院からもらったOSCEのテキスト

OSCE対策

OSCE対策はこの下記の3つで十分対応できる。

  1. Marking Criteria
  2. 試験会場のポータルサイト
  3. 病院から支給されたテキスト
① Marking Criteria

マーキングクライテリアは、各スキルで試験官がどこを評価するか知ることができる。各試験会場サイトからMarking Criteriaはダウンロードすることが可能。

② 試験会場のポータルサイト

OSCE合格後、試験会場のポータルサイトにアクセスすることができる。そこにはOSCEの情報や各スキルで使用される実際の書式が見られるため、すみずみまで読んだほうが良い。

③ 病院から支給されたテキスト

病院から一連の流れがまとまったテキストが支給される。メモを取りながら自分のノートを作っていくのも楽しい。たくさんの資料をもらい最終的には約4cmの分厚さになった。

病院から支給されたテキスト

ネットを調べればたくさんの情報を得ることができるが、情報過多になりやすいため信頼できるテキストを集中してやりこむほうが効率がよい。

OSCEを合格するためのポイント

自分でリサーチをする

研修に完全に頼るのではなく、自分でもリサーチしたほうが良い。研修担当者がOSCEのすべてを知っているとは限らないし、試験内容は少しずつ変更されているため最新情報を自分でチェックしておきたい。

とにかく練習する

OSCE合格は、練習にすべてがかかっている。実技試験のため何度も繰り返し行い、試験前にはどのスキルもスムーズに実施できるまで仕上げることが大切。私はグループ内の同僚と練習をした。一人で練習するより、誰かと一緒に練習したほうがお互いに指摘し合えるので習得の速度が格段に上がる。試験前に夜遅くまで一緒に練習し、励まし合ったのは今では良い思い出になっている。

自分に優しく

OSCEは、実際にやってみないと分からないことが多い。言語面でハンデがある日本人にとっては負担が大きいし、特に試験前は不安になることもある。異国の地で第二言語を使って試験に臨むのは想像以上にタフだし、不安になって当然のこと。休むときは休み、上手に気分転換しながら研修を乗り切りたい。

OSCE研修の体験談はYuikaさんの体験談も参考になります。研修が佳境に入った頃、辛過ぎてYuikaさんに連絡して、たくさん励ましてもらいました

Yuika’s story②|看護助手として働きながらイギリス看護師免許を取得 My storyでは、イギリス看護師を目指す仲間やイギリスで現役看護師として働いている方々に協力してもらい、イギリス看護師になるまで...

OSCE研修を振り返る

OSCE研修中は、想像以上にストレスフルだった。正直、研修を3週間受ければなんとかなると甘くみていて本当にバカだったと思う。確かに3週間で何とかなったけど、それは相応の努力をしてなんとかなるレベルだったことに研修が始まってから気付いた。

医療英語に不慣れで、かつ第二言語というダブルハンデを抱えながら試験対策を行うのは、本当に大変だった。私はIELTSを受験し、イギリスでヘルスケアアシスタント(HCA)としての実務経験もない状態で挑戦したため、覚える情報量が多過ぎた。初めての海外移住や異文化への適応といった負担も重なって、自分が適応できる限界線を超えていた。

ちなみに参加者10人以上の中で英語で看護教育を受けていないのは私だけ。これにはさすがに衝撃を受けた。

参加者の出身国:アメリカ・インド・オーストラリア・ナイジェリア・フィリピン・日本

母国で英語で看護教育、臨床経験を得ているグループ仲間は、言語面でまったく問題がなかった。みんなが理解できて当然の世界に、私にだけ理解できない世界があって、これが一番辛かった。私だけ一人明らかに遅れていて、取り残されている状況が毎日続いた。この状況でも頑張れたのはグループ内の仲間とYuikaさんの励ましのおかげ。

研修費と給料

OSCEの受験費用は£794(約13万円、1ポンド=163円)とかなり高い。

外国人看護師プログラムのおかげで研修費用は無料だった。研修中の賃貸、OSCE受験料、会場までの往復交通費、前泊の宿泊代のすべてが病院負担で金銭的な負担が一切なかったのが助かった。費用負担については病院によって異なり、実費や給料から天引きなどさまざま。

研修中は、Band4の給料が支給された。Band5の給料と比べたらかなり額は落ちるけど、職員として給料をもらいながら試験を受けることができるこのプログラムは素晴らしいと思う。

研修先は田舎で出掛け先がスーパーしかないようなエリアだったこともあり、隔離中を含めて人生で一番お金を使わない期間になった。

近所の景色@研修地

OSCE受験当日

試験会場@Oxford brookes university

OSCE試験は会場と試験官によって左右される。合格率の低い会場だったから怯えていたえど、私の試験官はフレンドリーで終始優しくサポートしてくれたので最後までやり切ることができた。緊張して震える私を優しくなだめてくれたし、今振り返るとかなりラッキーだったと思う。

終わった後は、脱力感と疲労感でいっぱいになった。絶対に落ちたと思ったけど、無事に一発合格!今までの努力が報われた瞬間だった。

OSCE合格後

OSCE受験後は数日の休みをもらい、すぐに臨床で働き出した。免許(PIN)をもらうまではBand4としてSupervised Nurseとして働いた。

合格から数週間〜数ヶ月でイギリス看護師免許(PIN)をもらうことができる。PINを取得したあと、すぐに人事部に連絡してPIN取得日からBand5の給料をもらえるようにした。

これからOSCEを受ける方へ

日本人にとってOSCEは難易度の高い試験ですが、研修を受けてしっかり勉強をすれば合格できる試験です。合格率はそこまで高くなく、私の経験では半分以上の人が2回以上受けて合格しています。

OSCEは、看護師としての資質やスキルを評価する試験ではありません。あくまでも実技試験なので、もし不合格だったとしても、合格基準を満たすように練習すれば大丈夫です。

この試験に合格したらイギリス看護師になることができます。最後まで自分を信じて頑張ってください。

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師。2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンの大学病院(NHS)の循環器病棟にてシニアスタッフナースとして勤務。

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