My storyではイギリスで働く医療従事者の方に協力していただき、イギリスで働くまでのストーリーや働く実際の話をインタビューしています。
今回はオーストラリア理学療法士免許を活かし、イギリスの国営医療サービス(NHS)で理学療法士として働くSakuraさんをインタビューさせていただきました。Sakuraさんはメディカル英語講師としても働いています。
ー自己紹介をお願いします
オーストラリア生まれ、育ちは日本とオーストラリア半々です。
中学一年生の時、数ヶ月の不登校の期間を経て、オーストラリアの親戚の家へ1人で渡豪しました。最初は英語は得意ではなかったので、英語を習得するのに数年かかりましたが今ではどちらかというと英語の方が日本語より得意です。
現在はイギリスのcommunity hospital の外来で理学療法士をする傍ら、クリニックで働いたり、医療英語を教えたりしてます。イギリスには、海外に住めるのは二十代のうちだ!と思って来ました。
ーオーストラリアで理学療法士になろうと思ったきっかけ
かっこいい!と思って理学療法士を目指しました。オーストラリアでは理学療法士は診断権と開業権があって、一般的に身体の関節の痛みのプロっていう認識があるので、なんかキラキラしてる感じがして理学療法士を目指しました。一般的には関節の痛みなどはお医者さんにかかる前にとりあえず理学療法士にかかるという認識がオーストラリアでは強い気がします。
ーイギリスで理学療法士になろうと思ったきっかけ
イギリスはオーストラリアの免許がそのまま書き換えれるので、違う国に住む経験が出来るのも二十代の特権だ!と思って飛び出してきました。
イギリスはオーストラリアと比べてお給料が少ないよ〜と来る前に周りの友達から聞いていたので覚悟して来たのですが、現在地方に住んでるのと、派遣社員として働いてるが幸いしてらオーストラリアと比べて特に大きな金銭的なギャップは感じていません。
かなり前からイギリスでは医療崩壊の危機にあると言われていて、医療制度改革を余儀なくされています。も刻々と新しいサービスが加入されたり、前あったサービスがなくなったりと、変化が多いというのがNHSの外来クリニックで6ヶ月働いた今の感想です。
一番印象的だったのが、イギリスでは様々な医療従事者がさらなる教育課程を経ることで診療範囲を広げることができるということです。キャリア形成において、新しいことをを学び続け、治療範囲を広げることができると仕事への満足度が高まると思っています。
ーイギリス理学療法士の免許登録について
オーストラリアからの免許書き換えは比較的簡単でした。料金を支払っただけです。免許書き換えの申請代だけに十万円したのは流石に怯みましたが…。
ー英語試験の対策方法
英語試験は受けていません。おそらくオーストラリアで高校を卒業したら英語試験はしなくていい、というルールだったと思います。
ー理学療法士として感じるオーストラリア、イギリスの違い
イギリスよりオーストラリアの方が高給料ですが、キャリア形成、診療範囲という面ではイギリスのほうが出来ることが多いというのが私の印象です。
どちらの国でも診断権、開業権があるのでそれは似通ってるなと思いますが、基本的にイギリス人無料で医療を受けたい、受けれるべきと思っているのに対して、オーストラリア人は自費診療で理学療法士にかかる人がイギリスより多いです。
ー今後の目標
正直これ!という目標はないのですが、イギリスでのワーホリの期間が終わったら日本へ帰国して一般企業に勤めてみたいと思ってます。なんとなくOL に憧れてるので。副業で医療英語を教えたり、観光地で外国人の方に向けたphysioクリニックを開業してみたりするのも面白そうかなぁと思ってます。
ー海外(イギリス、オーストラリア)で理学療法士を目指す人へのメッセージ
英語試験が1番のハードルだとは思いますが、やってみたらすごく面白いし、世界が広がる経験になると思います!日本の理学療法士も診断権や開業権があれば、理学療法のキャリアの満足度はもっと上がるのかなと思います。いつか、どこかのタイミングで日本の理学療法業界にも貢献できればなと思ってます。