今回は日本人看護師がイギリスの看護師免許を取得するための条件を紹介します。
イギリスの看護師免許については、ここ数年で何度も変更が重ねられています。「イギリスで看護師になるためには」と検索すると多数の情報がネットで見つかりますが、ほとんどが過去の情報です。条件と申請プロセスは随時変更されるため、公式サイトを必ず確認するようお願いします。
イギリスの看護師になるためには
NMCに登録する
イギリスでは、看護師と助産師の免許はNursing Midwifery Council(看護助産協会)に登録されます。頭文字を取り、NMCと呼ばれています。イギリスで看護師または助産師として働くためには、NMCに登録する必要があります。
2019年10月から申請プロセスが変更され、全プロセスの工程がひとつずつ分かりやすくなりました。すべてのプロセスはRegister as a nurse or midwife if you trained outside the EU/EEA : step by stepに掲載されています。本記事は上記ページを根拠に記載しています。
登録条件
2021年現在、NMCに登録するための条件は2つです。
- 看護専門卒または大卒(3年以上の看護教育を受けていること)
- 規定の英語試験をクリア
上記2つの条件を満たせば、イギリスの看護師免許の申請をすることができます。つまり、看護専門学校または大学を卒業し、看護師免許を取得した人全員にチャンスがあります。ちなみに看護教育は3年以上、臨床経験は不要です。
根拠:Register as a nurse or midwife if you trained outside the EU/EEA
次に語学力(英語)です。NMC登録では、IELTSとOETの2つの試験が認められています。それぞれの必要スコアをチェックしてみましょう。
参考:Accepted English language tests
IELTS (Academic)
- OA 7.0
- ライティング6.5、その他のセクションは7.0以上
2つの試験結果を組み合わせることが可能です。ペーパーベース、CBTのどちらも認められていますが、IELTS indicatorは認められていません。
組み合わせるためには、以下を満たしている必要があります。
- 半年以内に受験
- 全セクション同じ日に受験
- 全セクション6.5以上
- どちらかの試験でライティング6.5、その他のセクションで7.0以上
OET
- ライティングC+
- その他のセクションB
2つの試験結果を組み合わせることが可能です。
組み合わせるためには、以下を満たしている必要があります。
- 半年以内に受験
- 全セクション同じ日に受験
- 全てのセクションでC+以上
- どちらかの試験でライティングC+、その他のセクションでB以上
2020年9月よりOET on computerとOET @Homeも公式な結果として認められるようになりました。
参考:NMC to accept OET on computer and OET@Home for overseas trained nursing and midwifery professionals
2つの試験結果を組み合わせる
IELTSもOETのどちらも2つの試験結果を組み合わせて提出することができます。Accepted English language testsには、試験結果の組み合わせサンプルが掲載されています。
IELTSとOETの違い
どちらも受験者の英語能力を証明する試験です。両者の大きな違いは、IELTSは純粋な英語の試験であるのに対してOETは医療者向けに作られた英語の試験であることです。
登録前チェックリスト
NMC公式HPには、登録前のチェックリストページがあります。Get your pre-application checklistのページ下部にあるGet Your checklistで自分が条件に満たしているか、必要書類をチェックすることができます。
すべての質問に答えると、チェックリストは下記のようにPDFとしてダウンロードすることができます。ページ自体は保存されないため必要な場合は保存しておきましょう。下記の画像は私がチェックリストを利用したときにダウンロードしたPDFです。
おわりに
2021年現在、日本人看護師がイギリスの看護師免許を取得するためには2つの条件をクリアする必要があります。その条件は、①専門卒または大卒(3年以上の看護教育)、②規定の英語試験をクリアすることの2つのみです。専門卒または大卒、英語専卒・大学卒の学歴は問わないため多くの日本人看護師にチャンスがあります。
イギリスでは、この数年の間に外国人看護師に対する様々な条件の緩和、申請に必要な書類・プロセスの簡素化などの変更がなされています。この好条件はいつまで続くか分からず、今後の動向によって突然変更となる可能性があります。ただひとつ言えることは「2021年現在、日本人看護師がイギリスで看護師として働くチャンスが大いにある!」ということです。大卒を基準とする国が多い中、専門卒でも申請できることは大きなポイントです。
以上、【2021】イギリスの看護師免許を取得するための条件でした。