私は2015年頃から海外で看護師になることに興味を持ち始め、2021年にイギリスで看護師免許を取得した。興味を持ち始めてから実際に海外で看護師になるまでの約10年間を振り返って思うことは、海外で看護師になるには運とタイミングによって大きく左右されるということだ。
イギリスの外国人看護師の就職状況
これまで多くの国営病院が定期的に外国人看護師を一括採用し、イギリス看護師の最終試験OSCEの研修をサポートを行っていた。しかし、2025年現在でOSCE研修をやっている国営病院はおそらくほとんどない。
私の勤務先では2023年秋頃から外国人看護師の一括採用をしなくなると同時にOSCE研修が終了した。それからはイギリス看護師免許を所持している人のみ採用している。郊外で働く私の友人に聞いても、イギリス全土で似たような状況が続いている。以前は免許さえあればビザのスポンサーシップをほぼ確実にもらえたが、現在はそれすら難しい病院が増えている。
どれだけ看護師の就職が厳しいかと言うと、新卒のイギリス人看護師(イギリスの大学を卒業した外国人看護師も含む)やビザスポンサーシップがいらない永住権を取得している外国人看護師ですら就職に時間がかかっている。ビザスポンサーシップがいらない人たちが就職できないくらいなので、外国人看護師の就職はより狭き道になっている。
いつ就職難は終わるのか
就職難はいずれ終わると思うが、いつ終わるかは誰にも分からない。このような点が運とタイミングに左右すると思う理由のひとつで、海外で看護師を目指す上では避けて通れない道になっている。
どの国も数年ごとに看護師不足と就職難を繰り返している傾向がある。2025年の現時点ではイギリスは就職先が少ないため、外国人看護師にとってはかなり厳しい状況になっている。
海外就職は自分でコントロールできないことが多くある。自分ではどうしようもできない壁にぶちあったとき、いかに柔軟に対応できるかが重要だと思う。
海外で働くためには、現地の看護資格・就職先・ビザの3つが必須でどれかひとつでも欠けたら実現しない。今までの努力が時代の流れによって阻まれないように、そのときに合わせて対応していくことが大切だ。就職難が終わるまで待つのか、競争率の高い状況でどう戦うか、他に良い方法はないかなど柔軟に対応していくことが求められる。
注意すべきポイント
ここ数年で海外で活躍する日本人看護師が増えた結果、海外で看護師を目指す方をサポートする個人・会社も増えたと感じる。サポートを受けるときは、資格取得だけでなく就職状況やビザについても知識がある人を選ぶことをおすすめする。せっかく現地の看護師免許を取得しても就職先がない、ビザスポンサーシップをしてくれる就職先がなければ、その国では働けない。
私はイギリスで看護師になりたい人のサポートしているが、メリットだけでなくデメリットも含めて情報提供し、デメリットをどのように解消していくかをサポートすることを心掛けている。外国での就労と生活は大変なこともあるので、それを見据えたサポートするのはサポートする側の責任だと思っている。
サポートを受けるときは、責任をもって最後まで対応してもらえるか、資格取得後の将来を見越してのアドバイスをもらえるか見極めると良いと思う。
イギリス看護師の就職状況に変化があれば、また随時更新していきます!イギリス看護師に興味がある人はいつでもコメントや問い合わせから連絡お待ちしています。