イギリスで看護師として働く

国際医療現場で問う、日本人としての“強み”とは

日本人の強みとは

前回のブログで日本の看護師の素晴らしさとその国に合った看護について書いた。

日英で看護師として働いて気付いた、日本の看護師の素晴らしさ日本の看護師は素晴らしい イギリスで看護師として働いて4年目になり、最近考えることがある。 日本の看護師は素晴らしい ここ...
日英で看護師として働いて学んだ、その国に合った看護その国にあった看護がある 前回のブログで日本の看護師の素晴らしさについてシェアした。 https://mari7iro.com/wh...

日本人の「強み」って本当にあるの?

この記事を書いたあと、カナダで看護師として働くゆりさんのこのポストを読んで「日本人の強み」を改めて考えた。

私がブログで書いた内容は、まさしく日本人看護師の強みについてだが、他のコメントを読むと「日本人の強み、日本人であることで役立ったことはあまりない」という意見が集まっている。各国で働く看護師の興味深い意見が集まっているので、読んでみると興味深い発見があるかもしれない。

思わずハッとさせられた指摘もあった。Tylerさんのリプで、グローバルな意識が欠けているという指摘だ。

自分もこの前、講義したときに日本人看護師の強みは?とか聞かれたんですが、まず日本人と日本人以外を分ける時点でglobal 意識がないなって感じてしまったのが正直なところです。@TylerVancouverさんの意見

出身国という枠組みの限界

イギリスの国営医療サービス(NHS)には、200ヵ国以上の国籍を持ったスタッフが在籍している。多種多様な人種のバッググラウンドを持つスタッフが働いているが、いちいち出身国に注目し、出身国ごとの強みを考えることはない。たしかに出身国によってある程度の傾向はあるが、人を出身国で判断することは、このグローバルな時代にはそぐわなくなっている。

本当に大事なのは“個人の強み”

この一連の投稿を読み、人種多様性に富むNHSで働くスタッフとして、「人種や出身国から想像される強み」よりも「個人が実際に持つ強み」にフォーカスするべきだと思った。

また、日本人の強みは、日本独自のニーズに合わせて発展してきたものだからこそ、海外でそのまま通用するとは限らない。ゆりさんの投稿に寄せられた意見には、そうした日本人としての強みが海外で通じず、苦労した経験がにじみ出ているように思う。

“強み”を再定義する

一般的に「日本人の強み」と呼ばれるものは、実のところ「日本という社会・文化の中で育まれた強み」だ。この日本で培った強みを、海外で看護師として通用させるには、その国の「郷」に従い、受け入れられる形に変える必要がある。

海外で暮らしていると「郷に入っては郷に従え」という言葉をよく耳にする。現地の文化に適応することは、生きていく上で確かに大切だ。

しかし「郷に従う」とは、決して自分のスタイルを否定することではない。むしろ、相手の文化を理解し、尊重しながら、自分の持ち味をどう活かすかを考えることだ。実際、私はイギリスでこうした姿勢を私生活でも仕事でも大切にしてきた。この考え方をするようになってからは、仕事にも良い影響が現れ、キャリアアップにもつながったと感じている。

強みは、育て、活かし、そして変えていくもの。

この柔軟さがあれば、イギリスでも自分らしさを保ちながら、いきいきと働くことができる。

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師。2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンの大学病院(NHS)の循環器病棟にてシニアスタッフナースとして勤務。

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