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在英5年目の私が見つけた、イギリスの冬を前向きに過ごす工夫

イギリスと冬季うつ

イギリスの冬は寒くて暗くて長い。11月から本格的に冬が始まり、その年の天気にもよるけど3月初旬まで寒くて暗い日が続く。5ヵ月間も太陽の光が少ない日が続くと、気分が落ち込みやすくなる。

季節の移り変わりが人間の気分に影響を及ぼすことは以前から知られていて、医学的には「季節性感情障害」と呼ばれている。たかが天気、されど天気で、晴れているだけで自然と気分はハッピーになり、曇っていると勝手に気分は落ち込む。

※今回の記事では読みやすいように「冬季うつ」と表現しています。

海外生活は心理的な負担が大きく、小さなストレスの積み重ねで心の不調をきたしやすい。外国人として多くのハンデを抱えた状態で、寒くて暗いイギリスの冬を乗り切るのは難易度の高いことだ。

参考:海外在住が及ぼす精神的な影響ー在英国日本国大使館・精神科顧問医 阿比野医師

私は在英3年目に冬季うつになり、自分ではコントロールできない気分の落ち込みとイライラで感情が爆発するような経験をした。この出来事をきっかけに冬の過ごし方対策に真剣に取り組み、去年はあれこれ工夫をして、無事に乗り切ることができた。

冬のトラウマを乗り越えたおかげで「これから冬は大丈夫!」と思えるようになったので、今回はこれまでの在英生活で見つけた、寒くて暗い冬を前向きに過ごすための工夫をシェアしたい。

何が自分の心を満たすのかを知る

“Know what makes you happy – 何が自分の心を満たすのかを知る”

まず一番声を大にして言いたいのはこれ。冬だけでなく、海外生活のストレスに対処する上でとても大切なことだと思う。何をすれば自分がハッピーになれるのかを知っておくと、自分を上手にケアできるようになり、心の平穏を保ちやすくなる。

特別なものである必要はなくて、日々に取り入れられるような簡単で小さなことのほうが取り組みやすい。私が気を付けているポイントは、2つ。

ひとりでできること・誰かと一緒にやること

身体を動かすもの・動かさないもの

この両極にあるもの同士をバランスよく取り入れている。

私の心を満たすもの

日記を書く

その日の気持ちやあった出来事を日記に書く。書くことで気持ちの整理をしたり、しばらくったって読み返すことでリフレクションにもなる。日記や手帳にシールを貼ったり、色えんぴつで彩るなどクリエイティブなことを楽しむのも良い。

お風呂に入る

お風呂にはいると身も心も温まる。日本に一時帰国したときは、入浴剤を買いためている。日本の名湯とゆずの入浴剤がお気に入り。

キャンドル・ライト

暗い冬に暖かな光を灯してくれるキャンドルとライトは冬の大切なお供になっている。

花をかざる

花をかざるだけで部屋も気分もパっと明るくなる。冬場は毎月、花を買って部屋にかざるのを楽しみにしている。

インテリアとファッションに温かみのあるカラーを取り入れる

冬に温かみのある色を見ると心がほっこりする。私のインスピレーションはパートナーのお母さんと在英YouTuberのみきさん。イギリスは可愛いキャラクターものはないけど、可愛らしい色やパターンのデザインが豊富で大好き。

好きなものを食べる

お腹が満たされると心も満たされる。ロンドンは日本レストランが豊富なのでとても助かっている。そして、イギリスといえばロースト料理。パブで食べるのも良いけど、家で作って団らんするのがとても心地よい。

イギリスに来てから食器にハマり、和食器とポーランド食器が好きで集めている。

冬季うつに効果があるもの

冬季うつに科学的に効果があるとされているのが、運動・ビタミンD・SADランプ。運動以外は正直あまり効果を実感していないけれど、「自分のために良いことをしている」という感覚が気持ちを前向きにしてくれる。

運動

運動はメンタルヘルスに大きな効果があるので、特に冬は運動をすることをおすすめしたい。私はヨガとピラティスが好きで、一人で家でやることもあれば、スタジオに行くこともある。そして寒くても散歩をする。私の友達はジムやランニングをしている人が多い。

ビタミンDをとる

秋から春までビタミンDのサプリをとっている。

SADランプ

SADはSeasonal Affective Disorderの略で冬季うつのこと。冬季うつでダウンしていたときに買った。一週間太陽が出ないときは、日中にランプを使って光を浴びている。

日本語を話す・触れる

母国語で話すと安心するし、より豊かに表現できるので日本語を話すことはとても大切。日本にいる家族や友達と電話で話したり、イギリスにいる日本人の友達と遊ぶことでストレスを発散できている。

日本語に触れることも大切で、好きな日本のアーティストの曲を聞いたり、日本語で書かれた本を読んだりしている。日本との繋がりを感じると、自然と心は落ち着く。日本語の本はKindleで読んだり、一時帰国の度にまとめてイギリスに持ってきている。

ロンドンにあるFoylesでは、日本の本の取り扱いがある。割高だけど、イギリスにいるからこそ出会えた本もあり、とても好きな本屋になっている。

暖かい国に旅行する

私は1-3月の間に旅行をするようにしていて、イギリスより暖かい国に行くようにしている。おすすめはイタリア・スペイン・ポルトガル。太陽の光を浴びて、おいしいものを食べると元気になるし、旅行という楽しみなイベントがあることで、前向きな気持ちを保つことができる。日本に一時帰国するのも最高。

防寒対策

身体が冷えると心も冷える。室内では、電気毛布・湯たんぽを使って体が冷えないようにしている。

出掛けるときは、重ね着やフリースで、身体が寒くならないようにする。私は12時間シフトで働いているため朝晩の通勤がかなり寒い。お洒落は完全に捨て、ナイロン裏起毛ズボン・マフラー・ニット帽子・手袋でフル装備をしている。ほぼ黒づくめの組織の一員のようなファッションだけど、ニットと手袋はイギリスらしい可愛らしいデザインのものを使っている。

イギリスの田舎の冬は美しい。冬の晴れた日は、いっそう美しさに磨きがかかっていて散歩が楽しい。

おわりに

イギリスの冬は寒くて暗い。そんな冬を前向きに過ごすためには、色々な工夫が必要だと思う。その工夫のポイントは「自分で自分をケアすること、ハッピーにすること」だと今までの在英生活を通して学んだので、今回はこうして冬を前向きに過ごす方法をシェアしてみた。

もう冬は大丈夫とは言っても、やっぱり冬は憂鬱な気分になるし、今後も落ち込むことは避けられないと思う。それに文句を言いながら過ごすのがイギリス生活の醍醐味だと思っている。イギリスの冬は寒くて暗い。でも、必ず終わって春がくる。

今年も前向きに冬を過ごせますように⛄

ABOUT ME
Mari
Mari
日英看護師。2012年看護師免許取得。総合病院勤務を経てカナダへ医療英語留学を経験。2021年に渡英しイギリス看護師免許を取得。ロンドンの大学病院(NHS)の循環器病棟にてシニアスタッフナースとして勤務。

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